2023年11月29日オランダ/ライデン –3次元ヒト疾患モデルのリーダーであるMIMETAS社と、「CELL HANDLER™」を開発したヤマハ発動機株式会社は、戦略的な共同マーケティングを実施する事を発表しました。初期医薬品開発のすべての段階に適応可能な、ヒト組織をより正しく反映した病態モデルの構築を目指します。
この協力関係では、MIMETASが保有する包括的なヒト疾患モデルやアッセイ法の専門知識と、自動化システムにより組織やオルガノイドと言われる細胞集団を選択的に取り出し画像撮像が可能なヤマハ発動機の最先端機器「CELL HANDLER™」を組み合わせます。
MIMETAS社CTOのBas Trietsch氏はこの協力関係の意義を強調し次の様に述べています。「患者の状態を的確に反映した3次元病態モデルを医薬品開発に導入する事は、未解決の疾患に対する新しい治療法を開発するためのキーです。しかしながら現状の研究モデルは血管系や免疫系のシステムが統合されておらず、病態プロセスや薬剤の効果判定には致命的な欠陥になっています。複雑なバイオロジカルなモデル作製を困難にしている問題の一つは、増殖速度や形態が細胞種毎に多様な事です。そしてその事がハイスループット且つロバストなアッセイ法の確立を難解に、また時間を要するものとしています。この問題に対処していくためには、例えばYamaha Cell Handlerのような最先端のオートメーションはなくてはならいない技術です。」
一方、ヤマハ発動機医療機器事業部長の松野潔高氏は「両社の技術を組み合わせる事により、病態組織モデルの品質とそこから得られるデータの堅牢性を向上させ、ハイスループットスクリーニングへの応用が可能になります。ヒト3次元病態モデルを進化させ、それがドラッグディスカバリーのすべてのステージに適応可能となるよう共同で取り組みます。」と述べています。
MIMETASとヤマハ発動機は共同で、MIMETASの3次元組織モデルを用いる事により、CELL HANDLERの革新的な新規アプリケーションを開発します。その結果は、製薬研究者にとって新薬開発の推進に不可欠なツールになるでしょう。オートメーションに組み込まれたオルガノイド、スフェロイドや腫瘍組織への血管、灌流および免疫システムの統合が可能になり、この統合化されたソリューションはスループット性の増進および堅牢性や再現性の向上に繋がります。